茨城県神栖市の日川浜から鹿島港方面に続く約6kmの護岸壁に、1000人画廊と呼ばれる市民によって描かれたたくさんの壁画があります。
1000人画廊はいまから30年ほど前の1990年に始まったイベントで、多くの市民アーティストが素敵な作品を残してくれています。
また、この1000人画廊がある場所には、2010年に日本初の洋上風力発電所が設置されました。
護岸壁に描かれたたくさんのアートとその背後にある風車が合わさった景観はまさに絶景で、SNSなどでも大人気の撮影スポットとなっています。
このページでは、1000人画廊に描かれたたくさんの作品のなかから、2020年に描かれた最新の作品と、2008年に描かれたものを中心に紹介してみたいと思います。
2020年に描かれた1000人画廊の作品
2020年の作品は、鹿島港方面に向かった先の一番端から描かれています。
まだ途中の作品もあるようで、男性の方が一生懸命に描いていました。
残念なことに、ある作品の前にゴミが捨てられていました。なぜこのようなことをするのか理解に苦しみます。
水上に立つ真っ赤な鳥居が描かれた作品です。これはおそらく、鹿島神宮の西の一之鳥居だと思われます。
護岸壁が窓になっていて、そこから猫と一緒に女性が海を眺めている作品でしょうか。
こちらはお城の絵です。金のシャチホコが見えるので名古屋城でしょうか?
風力発電の風車とたくさんの魚が楽しそうに泳いでいる姿を描いた作品です。ウナギ(?)のお腹に「I love Kamisu」と書かれています。
こちらは親子のクジラでしょうか。描かれた模様がなんともユニークな作品です。
3匹のクワガタムシやカブトムシが、それぞれ木に止まっている姿を描いた作品です。
海でバーベキューをしている作品です。「さよならコロナ」と書かれたコメントが、いかにも2020年の作品らしいです。
海の中を魚やカメやクラゲが泳いでいる様子を描いた作品です。護岸壁をガラス張りと想定した作品でしょうか。
ペンギンやシロクマを描いた作品です。作品の前に生えた雑草が、いい感じでアクセントになっています。
縁側に置かれた金魚鉢と風鈴を描いた作品です。最近では、あまりこういった風景はみられなくなっていますね。
タコが指揮をとって、魚たちが楽しそうの唄をうたっている作品です。
海にシャボン玉のようなものがたくさん浮かんでいる作品です。シャボン玉の中に描かれている茨城県の形が裏返しになっているのが面白いですね。
男の人が船に乗っておる作品ですが、下書きが残っているようなので未完成なのかも知れません。
白い塔のように見えるのは、港公園の展望塔でしょうか?神栖市名産のミニパプリカやご当地キャラのココカミスくんも描かれています。
両手の間に、茨城県が日本一の生産量を誇るメロンが描かれた作品です。
モノトーンで仕上げられた美しい作品です。金魚の周りにある雲のようなものは何を意味するのでしょうか?
青空にかかった虹の周りで、鳥や蝶が楽しそうに歌っている作品です。
二台のバイクが向き合って、その間にハートを描いている作品です。
護岸壁をめくって海を眺めているように見える作品です。左隅に置かれたラジオがいいアクセントになっています。
ピーマンがたくさん並んでいる作品です。実は、神栖市はピーマンの生産高が日本一なんですね。
これはヤモリでしょうか?ピンクの背景にカラフルな柄でかなりインパクトが強いです。
海の中でクラゲやジンベイザメが泳いでいる様子を表した作品です。左端のジンベイザメはプランクトンを食べているのでしょうか?
こちらは、鳥居の周りにタツノオトシゴ、カニ、魚、クラゲ、花などが描かれており、かなりにぎやかな作品です。
虹の下をスポーツカーが走っている作品です。「はっぴー」の文字が書かれているので、何か楽しいことがあったのでしょうか。
こちらも虹が描かれている作品です。「うつむいていたら決して虹を見つけることはできない」と英語で書かれていますが、まさにその通りですね。
お祭の様子を描いた太田鳴物子供会の作品です。子どもたちの手形も残されています。
神栖市立波崎第一中学校の生徒による作品です。丸い大地に満開の桜が描かれています。
宇宙を描いた作品です。遠くに地球が見えますので、手を振っている人たちはどこの星にいるのでしょうか?
足元がクローズアップされた作品です。靴の後ろにある水がいったい何なのか想像をかきたてられます。
火を吐くゴジラのような怪獣とクジラが描かれた作品です。いったい何に挑戦するのでしょうか?
2008年に制作された1000人画廊の作品
2008年に描かれた作品の中からいくつかを紹介してみたいと思います。
完成から12年以上経過していますので、さすがに風化してしまっている作品もあります。
野生のジャングルと海を描いた作品です。ジャングルの空の部分が海になっている点が創造的です。
2匹のホワイトタイガーが水の中に入って、リラックスしているところを描いた作品です。
こちらも、2匹のトラがリラックスしているところを描いた作品です。2008年はネズミ年ですが、なぜかトラの作品が多いようです。
こちらはペンギンの親子を描いた作品です。海に浮かんだ氷が描かれているので、場所は南極でしょうか。
二匹のアザラシを描いた作品です。黄色いアザラシが持っているボールが地球のように見えます。
哀愁を感じさせる夕日を描いた切り絵のような作品です。二人の子どもたちは兄弟でしょうか?
広大な海から笑顔の太陽が顔をだしている作品です。「地球と仲良くできる子どもたち」の文字が描かれています。
神秘的で美しい蓮の花の中で、女性が眠っているところが描かれています。
風力発電の風車を背景にウサギが釣りをしている作品です。太陽やひまわりも笑顔ですね。
4本のひまわりを描いた作品です。この作品を見て「ひまわりって黄色以外の色もあるの?」と思う人もいると思いますが、実際に白や紫色のひまわりも存在します。
どこかの牧場の風景でしょうか?2頭の牛がお尻を向けているのがアングル的に面白いですね。
イルカの背中で女性が腰をかけて目をつむっています。背景にある家を含めて全体的に幻想的な作品です。
巨大な船を背景に、ゆるキャラ(?)が袋を背負っています。曲がりくねった矢印は何を意味するのでしょうか?
青い海と空を背景にした、カラフルな神栖市のシンボルマークです。かみすの「か」の地を飛鳥のように表現しています。
テニスをしている様子をマンガのようなタッチで表現した作品です。髭を生やしているのは先生でしょうか?
こちらも、女性とイルかをモチーフにした作品です。後方に見える球状のものは地球でしょうか?
サーフィンをするひまわりの横に虹が出ているユニークな作品です。ひまわりの顔の表現が岡本太郎の作品に似ています。
茨城県の形をした島(?)から、大きな船に乗り込むところを描いた作品です。どこに向かう船でしょうか?
海の中の魚たちが「We wish for peace」という文字を描いています。平和への願いが込められた作品です。
真夜中の荒れた海の四方を照らす灯台を描いた作品です。船の遭難が心配になりそうな海ですね。
泳いでいるのは胸びれの大きさからザトウクジラでしょうか?海に浮かぶ氷や後方にある地球のような球体など、幻想的な作品です。
こちらも先ほどの作品と同様にクジラをモチーフにした幻想的な作品です。ただ、道路の隙間から生えた気が作品の1部を隠してしまっているのは残念です。
外国の絵本の中に出てくるような構成とタッチの作品です。椅子に座って食事をするライオンがなんともかわいいです。
セーラー服を着た人魚がイルカと戯れている作品です。神栖第三中学校の美術部の作品のようです。
1000人画廊ができる前の護岸壁は落書きだらけ
この1000人画廊が始まる前の護岸壁は、決して景観の良いものではありませんでした。
なぜなら、夜な夜な出没していた暴走族が、この護岸壁にスプレーで落書きをしまくっていたからです。
何度消しても落書きは繰り返され、まさにイタチごっこでした。
そんななか、なんとか景観を良くしたいという神栖市や市民の方々の思いが、この1000人画廊というイベントにつながったのだと思います。
幸いなことに、この1000人画廊のイベントが始まってからは、暴走族による落書きはなくなりました。
暴走族といえども、人間としての良心が少しでも残っているなら、市民の方々が一生懸命に描いた作品の近くに落書きなどはできないはずですね。
1000人画廊へのアクセス
東京方面から1000人画廊までのアクセス方法は以下の3通りになります。
マイカーの場合:東関東自動車道の潮来インターを降りたあと、下道を30分ほど走ると到着します。
高速バスの場合:東京駅八重洲口の1番乗り場から鹿島神宮駅行きのバスに乗り、鹿島セントラルホテルで下車したあと、タクシーに乗りかえて15分ほどで到着します。
電車の場合:JR鹿島線の潮来駅か鹿島神宮駅で下車をして、そこからタクシーに乗りかえて約30分で到着します。
文:護持八平
関連ページ:神栖市観光協会-1000人画廊
関連ページ:神栖市公式サイト-1000人画廊