茨城県鹿嶋市にある「大野潮騒はまなす公園」には、太平洋を一望できる高さ60mの展望塔と長さ154mの滑り台があります。
この長さ154mの滑り台は、「大野潮騒はまなす公園」ができた1990年当時には、日本一長い滑り台ということで話題になりました。
遠くに太平洋を望むすばらしい景色を眺めながら、すがすがしい気分で滑り降りて行くことができる滑り台です。
現在は、奥日立きららの里にあるボブスレー式の滑り台が、滑走距離877mで日本一となっています。
ちなみに、鹿嶋市にあるのになぜ「大野潮騒はまなす公園」という名称なのか疑問に思う人がいるかも知れません。
実は、鹿嶋市というのは、1995年に鹿島町と大野村が合併してできた市です。
もともと合併前の大野村にあった公園なので「大野潮騒はまなす公園」というネーミングになっているわけです。
大野潮騒はまなす公園のシンボル的な存在の展望塔
大野潮騒はまなす公園のシンボル的な存在が、この展望塔です。
展望塔の高さは地上60mもあり、55mの位置にある展望室からは鹿島灘の美しい海を一望することができます。
館内にはプラネタリウム・郷土資料館・美術館などがあり、展望台を含めたこれらのすべてを入館料300円(小人200円・幼児100円)のみで観賞することができます。
開館時間は9:00~16:30で、月曜日が休館日となっています。
自然豊かな木々と水の流れを満喫できる渓流散策路
展望塔の裏手に入ると、渓流散策路の方に向かっていくことができます。
自然の木々がそのまま残されており、すがすがしい空気の中をのんびりと散策することができます。
階段を下りて、渓流の方に向かっていきます。
下に向かってどんどんおりて行くと、清らかな水の音が耳に入ってきます。
人工的に作られた川ではありますが、自然の雰囲気を生かして水の流れをうまく表現しています。
さらに下流の方に進んでいくと、休憩所があります。
休憩所の後ろに見える橋は、「長寿橋」と呼ばれる吊り橋で、この公園ができたときに一緒に作られたものです。
すばらしい景色を眺めながら、人口の川沿いに散策をしていくことができます。
噴水が勢いよく水しぶきを上げています。この噴水はつねに噴き出しているわけではないので、たまたまタイミングが良いときだけ見ることができます。
渓流散策路の末端まで来たところにも、休憩所があります。
長寿橋を先ほどとは反対側から見ると、橋の上に大きな展望塔が顔をだしているように見えます。
渓流の入口付近まで戻ると、「昇龍の滝」が姿をあらわします。
滝といっても、公園内にある滝ですから、ごうごうと音を立てて水が流れ落ちるような派手なものではありませんが、水が岩の間に流れ落ちている様子を見ることができます。
昇龍の滝のすぐ横には、「音のトンネル」があります。
これは、日本に江戸時代から伝わる水琴窟(すいぎんくつ)を再現したもののようです。
水琴窟は日本庭園の装飾の1つで、地中に伏せた瓶に水滴を落下させて、そのときの水滴の音を反響させて美しい音色をだす仕掛けになっています。
音のトンネルのところを人口の川沿いに上っていくと、多目的広場方面に向かいます。
長寿橋・多目的広場・子どもの広場
渓流散策路から登って来て多目的広場方面に向かう途中にあるのが、先ほど下から見上げていた長寿橋です。
橋の上から先ほど歩いていた渓流散策路を眺めることができます。
長寿橋を過ぎてさらに歩いて行くと、多目的広場があらわれます。
多目的広場では、広大なスペースに子どもが遊ぶことのできる複合アスレチック遊具が置かれています。
野外ステージが設置されているので、コンサートなどのイベントを行うことも可能になっています。
多目的広場から子どもの広場に向かう途中に、はまなす園があります。
「大野潮騒はまなす公園」という名前からもお分かりの通り、ここには4000本ものはまなすが植えられています。
しかし、はまなすが見頃になるのは4月中旬から5月下旬ですので、それ以外の時期に行ってもご覧のように殺風景です。
はまなす園の反対側にあるのが子どもの広場で、砂場の上にザイルクライミングが設定されています。
太平洋を見ながら154mを下る滑り台
子どもの広場のザイルクライミングの奥の小高い丘になったところに設置されているのが、154mの長さを誇る滑り台です。
木で作られた櫓の上に登り、そこからスタートします。
生い茂った木々の奥に、太平洋がうっすらと見えます。すばらしい景色を眺めながら、すべり降りて行くことができます。
滑り台はローラー式になっているので、お尻にダンボールなどを敷いた方が滑りやすいかも知れません。
傾斜は急なところと緩やかなところがあり、途中で休憩をしながら滑り降りていくことができます。
滑り台に沿って道があるので、子どもが滑るときに親が付き添いでいっしょに歩いて行くことができます。
あと100mの看板があるので、ここがちょうど54m地点ということになります。
この辺が残り50m地点です。視界が開けてくると、青々とした太平洋がよく見えます。
そして、ここが154mの終点となります。
弁天池がある水と憩いの広場方面
最後に水と憩いの広場方面に向かってみます。
憩いの広場にもご覧のような休憩所が設けられています。
憩いの広場から少し進んだところにあるのが弁天池です。
池の水と生い茂った木々の中に、朱色に塗られた橋がよく映えます。
橋の奥にあるのは、弁天様の祠のようです。弁天様は七福神の中で唯一の女性の神様で、縁結びや金運の御利益があると言われています。
大野潮騒はまなす公園へのアクセス
大野潮騒はまなす公園に電車で行くには、JR常磐線の水戸駅かJR鹿島線の鹿島神宮駅から鹿島臨海鉄道大洗鹿島線に乗りかえます。
「長者ヶ浜潮騒はまなす公園前駅」で下車をして、8分ほど歩くと大野潮騒はまなす公園に到着します。
ちなみに、「長者ヶ浜潮騒はまなす公園前駅」の読み仮名は22文字となり、熊本県の「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅」とともに日本一長い駅名となっています。
大野潮騒はまなす公園に都内方面からクルマで向かう場合は、東関東自動車道の潮来インターを降りて、国道51号線を20分ほど走ると到着します。
広い無料駐車場(250台駐車可)がありますので、クルマを止める場所に困ることはありません。
文:護持八平