茨城県では納豆の生産量が日本一であることに誰も異論はないでしょう。
茨城県のゆるキャラである「ねば~る君」からも分かる通り、茨城県の生産量日本一と言えば多くの人は納豆を連想します。
しかし、茨城県で生産量が日本一なのは、納豆だけではありません。
実は、「え?こんなものまで?」と思わずびっくりするようなものが、日本一だったりします。
ここでは、茨城県が生産量日本一となっている意外なものを紹介してみたいと思います。
メロンの生産量日本一は茨城県です
「メロンの生産地を1つだけあげてください」と質問されたら、多くの人は「夕張」と答えるに違いありません。
それほどまでに夕張メロンというのは知名度が高いです。
そのため、メロンの生産量に関しても、北海道が日本一だと思っている人が少なくないでしょう。
しかし、残念ながらメロンの生産量日本一は、北海道ではなく茨城県なのです。
平成30年度のデータですと、茨城県のメロン生産量は40,200tで、2位の熊本県の22,100tに圧倒的な差をつけての堂々1位です。
ちなみに、北海道の生産量は21,700tで3位となっています。
平成29年まではずっと北海道が2位でしたが、平成30年に熊本県に抜かれて3位になってしまっています。
ビールが一番作られているのも茨城県です
これも意外かも知れませんが、ビールを日本一生産している都道府県は茨城県なのです。
平成30年度のデータですと、1位の茨城県が379,448kl、2位の大阪府が276,794kl、3位の福岡県が260,249klとなっています。
2位の大阪府に102,654klもの大差をつけて、堂々の1位なのです。
「サッポロビール」という有名な銘柄から、北海道のビール生産量が多いと感じる人もいると思いますが、北海道は105,998klで8位となっています。
茨城県の守谷市にはアサヒビールの工場があり、取手市にはキリンビールの工場があります。
工場見学に行くと、作り立てのとってもおいしいビールを無料で試飲させてもらえます。
鶏卵の生産量も日本一です
平成30年度の農林水産省の調査によりますと、鶏卵の生産量が一番多いのが茨城県となっています。
平成30年には、全国で262.8万トンの鶏卵が生産されましたが、そのうちの8.5%が茨城県産です。
2位が鹿児島県でシェア6.9%、3位が千葉県でシェア6.4%となっています。
茨城県と千葉県の生産量が多いのは、大消費地である東京に近いからだと思われます。
鶏卵の生産量日本一が茨城県というのは、ちょっと意外な感じがする人も多いと思います。
全国の干し芋の9割が茨城県で生産されます
「茨城=納豆」のイメージがありますが、それ以上に茨城県の代表的な食べ物といえるのが、干し芋です。
実は、日本で消費される干し芋の9割は茨城県で生産されているのです。
もともと干し芋は江戸時代に静岡県で生まれた食べ物ですが、現在では茨城県の独壇場と言えるような状態になっています。
まさに茨城県の特産品の代名詞的存在といえるのが、干し芋なのです。
昭和の時代には、秋になるとどこの農家の庭先でも干し芋を天日で乾燥させている光景が見られました。
国内の干し芋の生産量は約1万トンといわれていますのが、そのうちの約9千トンが茨城県で生産されていることになります。
大型ダンプ900台分の干し芋が、毎年茨城県で作られているというのは、ちょっとびっくりですね。
参考:干し芋の9割が茨城県産
野菜なら茨城県~ピーマン・白菜・レンコン・チンゲン菜が日本一
耕地面積の割合が日本一の茨城県では、ピーマン・白菜・レンコン・チンゲン菜の生産量が日本一となっています。
大消費地である東京に向けて、茨城県から多くの野菜が出荷されているのです。
日本で作られるピーマンの約4分の1は茨城県産です
平成30年度のデータ見てみますと、日本のピーマン生産量の23.8%を茨城県が占めており、堂々の1位となっています。
日本産のピーマンの4分の1近くが茨城県で作られていることになります。
2位の宮崎県が18.9%、3位の高知県が9.6%となっています。
この順位は過去10年以上まったく変わっていません。
参考:ピーマン産地ランキング
白菜の生産量も全国の4分の1を占めます
白菜の生産量も平成30年度のデータでは茨城県が1位になっています。
全国の生産量に対する茨城県の割合が26.5%となっており、日本で作られる白菜の4分の1以上は茨城県産ということになります。
2位の長野県も25.4%となっており、4分1を超えています。
この割合から、茨城県と長野県の2つの県で日本の白菜の半分以上を生産していることになります。
過去10年を見てみますと、平成24年に長野県に負けていますが、それ以外の年はずっと茨城県が白菜生産数1位となっています。
参考:白菜産地ランキング
日本のレンコンの半分は茨城県産
レンコンの生産量も茨城県が1位です。
しかも、2位に圧倒的な差をつけてダントツの1位となっています。
平成30年度のデータでは、茨城県産のレンコンが全国の48.1%を占めているのに対して、2位の佐賀県は11.6%、3位の徳島県は10.9%となっており、茨城県産の割合が圧倒的に高くなっています。
日本で2番目に広い湖である霞ヶ浦を持つ茨城県は、レンコンの栽培に適しているのでしょう。
ちなみに、辛子レンコンで有名な熊本県のレンコン生産量は、全国6位となっています。
参考:レンコン産地ランキング
中華料理にかかせないチンゲン菜も日本一です
中華料理には欠かせないチンゲン菜の生産量も、茨城県が1位です。
平成30年度のデータですと、全国で42,000トンのチンゲン菜が生産されていますが、そのうちの11,000トンが茨城県で生産されており、シェア27.9%で日本一となっています。
7,460トンの静岡県が2位、2,750トンの愛知県が3位となっています。
この3県の生産量だけで、日本で生産されるチンゲン菜の半分を超えます。
茨城県は、日本人が食べる中華料理に大きな貢献をしているわけですね。
江戸ブランドの野菜である小松菜も茨城県が日本一
日本の食卓に欠かせない小松菜も、茨城県の生産量が日本一となっています。
平成30年度に日本全国で生産された小松菜は115,600トンにもなりますが、そのうちの20,000トンが茨城県で生産されており、シェアでは17.3%となっています。
2位が生産量14,700トンの埼玉県、3位が11,700トンの福岡県となっています。
意外なのは、東京都が7,860トンで4位に入っていることです。
もともと小松菜は江戸ブランドの野菜といわれています。
江戸初期に武蔵国葛飾郡でたくさん栽培されていたことから「葛西菜」と呼ばれており、その後に小松川村に住む椀屋九兵衛が品種改良したのが現在の小松菜だそうです。
ちなみに、小松菜と命名したのは8代将軍の徳川吉宗だといわれています。
耕地面積がワースト1位の東京で、小松菜生産量が全国で4位に食い込んでいるのは、江戸ブランド野菜のプライドといえそうです。
参考:小松菜の生産量ランキング
日本の芝生の61%は茨城県で生産されています
ゴルフ場やサッカーのグランウドに使用される芝ですが、実はこの芝の生産量も茨城県がダントツの1位なのです。
茨城県の芝の生産量は、全国の61%と過半数を超えています。
しかも、その茨城県の芝の8割はつくば市で生産されているのです。
つくば市というと学園都市のイメージがあると思いますが、「芝」という意外なもので生産量日本一となっているのです。
つくば市は平坦な土地が多いことから、芝の生産に適しているようです。
参考:花き産業振興総合調査 / 平成30年花木等生産状況調査
文:護持八平