大洗磯前神社(おおあらいいそさきじんじゃ)は、いまやガルパンの聖地と化した茨城県大洗町を代表するパワースポットです。
海のすぐ近くの丘の上に鎮座するこの大洗磯前神社は、パワースポットであると同時に風光明媚な観光スポットでもあります。
高台にある境内から太平洋を望むことができますし、神磯の鳥居は日の出の絶景スポットとして有名です。
御祭神は大国主命(おおくにぬしのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)となっていますので、商売繁盛から良縁成就までさまざまなご利益が期待できることでしょう。
大洗磯前神社の鳥居と太平洋を望む絶景
大洗磯前神社といえば、なんといっても神磯の鳥居から望む美しい日の出です。
毎年元旦の早朝には、この絶景の初日の出を拝もうと多くの人が全国から押し寄せてきます。
磯から上がって県道の前までくると、大きな鳥居が目に入ります。
その大きさから一の鳥居のようにも見えますが、実はこれは二の鳥居です。
大洗磯前神社の一の鳥居は、この場所から南西方面の道路上にまたぐように建てられています。
二の鳥居を抜けると、長い石の階段があり、その先に三の鳥居が建てられています。
ちなみにこの石段は90段ほどあり、運動不足の人が登ると確実に息切れします。
階段を登り切ると、三の鳥居が姿をあらわします。
登って来た方を振り返ると、木々の間から太平洋を望むことができます。
このように、境内からも絶景を拝めるのが大洗磯前神社の特徴です。
大洗磯前神社の手水舎・随神門・社務所・参集殿
三の鳥居を抜けると、目の前に見えてくるのが随神門で、江戸時代の末期に建てられたとされています。
随神門の少し手前で狛犬が向き合っています。
随神門に向かう途中の右側には、手水舎があります。
訪問したのは2020年9月ですが、ご時世により柄杓を使わずに手を清めることができるようになっています。
手水舎の手前には、国歌である「君が代」が刻まれた石碑が置かれています。
さらにその右手には、神磯の鳥居の日の出を撮影した大きな写真が掲示されています。
随神門の右隣が、社務所及び参集殿になります。祈祷や御朱印を希望される方はこちらで申し込みをします。
随神門入口の手前には、大国様と恵比須様の木彫りの像があります。
大洗磯前神社の御祭神である大国主命(大国様)と少彦名命(恵比寿様)の木彫りの像ですので、これを撫でることで「大福」のご利益が期待できるかも知れません。
アニメファンによって描かれたたくさんのアニメの絵馬
大洗は、ガールズ&パンツァーというアニメの舞台となったこともあり、ガルパンの聖地と呼ばれています。
参考:アニメの聖地となった茨城県大洗町~ガルパンの聖地はいかにして誕生したか
随神門を抜けて境内に入ると、たくさんの絵馬がかけられていますが、そこに描かれているものは、明らかに他の神社とは異質です。
ガルパンの聖地である大洗の神社らしく、アニメのキャラクターが描かれた絵馬が圧倒的に多くなっています。
なかには、プロなみのレベルの高い絵が描かれた絵馬もかけられています。
この方は熊本県の方ですが、大洗へは10回目の訪問であると書かれています。
ガルパンの放送が開始されたのは2012年ですから、1年に1度以上の頻度で、わざわざ熊本から大洗を訪問していることになります。
大洗という町が、いかにアニメファンに愛されているかが想像できます。
大洗磯前神社の拝殿・本殿と授与所
随神門を入って真正面にあるのが、拝殿です。こちらでさまざまな御祈祷が行われます。
この大洗磯前神社は平安時代の斉衡3年(856年)に創建されたとされています。
しかし、永禄年間(1558~70)の兵乱により消失してしまい、水戸二代目藩主徳川光圀(水戸黄門)と三代目藩主綱條の力添えによって享保15年(1730)に再興されました。
拝殿の裏にまわると、御神体が祀られている本殿が姿をあらわします。
この本殿は、一間社流造と呼ばれる様式によって建造されています。
手入れされた茅葺の屋根がとても美しいお社です。
大洗磯前神社のお札やお守りなどは、こちらの授与所で授けてもらうことができます。
境内に祀られているさまざまな末社
大洗磯前神社の境内には、本殿に祀られている大国主命と少彦名命以外にもさまざまな神様が末社として祀られています。
本殿の右側に建てられているのは、大神宮(天照皇大神)、静神社(建葉槌命・手力雄命・高皇産霊尊・思兼神)、水天宮(天御中主神・安徳天皇・建礼門院二位尼)のお社になります。
本殿の左側にあるこちらのお社には、八幡宮(玉依比売命・大帯姫命・応神天皇)、水神社(罔象女命)、大杉神社(大物主命)が祀られています。
大洗磯前神社へのアクセス
大洗磯前神社に電車で向かうには、2つのルートがあります。
1つは、JR常磐線の水戸駅で水戸交通のバスに乗り、大洗磯前神社バス停で降りるルートです。
もう1つのルートは、鹿島臨海鉄道大洗鹿島線で大洗駅まで行き、そこからバスに乗って大洗磯前神社下で下車します。
大洗駅から徒歩で向かうことも可能ですが、距離的に3km弱ありますので、30分~40分かかると思います。
クルマで行く場合は、都内方面からだと常磐自動車道を経由して北関東自動車道の水戸大洗インターを降りるルートが時間的に一番早くなります。
水戸大洗インターを降りたあとは、国道51号線で大洗磯前神社に向かうことになります。
駐車場は複数ありますので、普段の日であればクルマを止める場所に困ることはないでしょう。
大洗磯前神社からすぐのところに、55mの展望台から太平洋を一望できる大洗マリンタワーがありますので、合わせて訪問してみるといいでしょう。
文:護持八平