茨城県の世帯収入が全国でもトップクラスであるのをご存知でしたか?

茨城県庁 茨城自慢のコラム

「茨城のド田舎で暮らしている人たちは、収入も低く貧しい生活をしているんだろう」

などと思っているそこのあなた!

その考えはいますぐあらためてください。

なぜなら、茨城県というのは世帯収入が全国でもかなり高い県なのなのです。

「いやいや御冗談を」

などという罰当たりなことを言ってはいけません。

これは嘘でもなんでもなく、総務省お墨付きの事実なのです。

疑っている人は、以下の総務省の「統計でみる都道府県のすがた2020」のデータをご覧になってください。

統計でみる都道府県のすがた2020~総務省

47都道府県の中で堂々の9位となっています。

その前年度の2019年度版のデータだと、驚くなかれ茨城県の世帯平均収入は堂々の全国2位となっています。

統計でみる都道府県のすがた2019~総務省

ド田舎で貧しいどころか、茨城県の住民は全国的でもトップクラスの高収入を得ているのです。

茨城県を、けっして田舎だと舐めてはいかんのです。

2018年度の茨城県の平均世帯収入は613,900円

並んだ一万円札「統計でみる都道府県のすがた2020」で採用されているデータは2018年度のものですが、この年全国で9位になっている茨城県の勤労者世帯1ケ月の平均収入は、613,900円です。

ちなみに1位の石川県は665,400円、2位の東京都は654,800円、3位の埼玉県は650,600円、4位の福井県が627,600円、5位の福島県が626,600円となっています。

「統計でみる都道府県のすがた2019」で採用されている2017年のデータですと、1位の石川県が651,200円、2位の茨城県が628,200円、3位の埼玉県が624,100円、4位の山口県が616,000円、5位の福島県が611,800円となっています。

2018年度都道府県世帯収入ランキング

1位 石川県・・・・665,400円
2位 東京都・・・・654,800円
3位 埼玉県・・・・650,600円
4位 福井県・・・・627,600円
5位 福島県・・・・626,600円
6位 千葉県・・・・622,700円
7位 富山県・・・・619,000円
8位 静岡県・・・・616,000円
9位 茨城県・・・・613,900円
10位 新潟県・・・ 610,300円

2017年度都道府県世帯収入ランキング

1位 石川県・・・・651,200円
2位 茨城県・・・・628,200円
3位 埼玉県・・・・624,100円
4位 山口県・・・・616,000円
5位 福島県・・・・611,800円
6位 福岡県・・・・516.700円
7位 山形県・・・・604,300円
8位 東京都・・・・593,000円
9位 富山県・・・・590,900円
10位 福井県・・・ 586,500円

一部の高給取りが数字を押し上げる平均収入のマジック

金持ちと貧困の分かれ道茨城県の1ヵ月当たりの平均世帯収入が、2018年度が613,900円、2017年度が628,200円という数字を見て、当の茨城県民はどう思うでしょうか?

「ワハハハ、やっぱり茨城県民は豊かなのだな」

と思う人は少数派ではないでしょうか。

「我が家ではこんなにたくさんの収入はないぞ」

むしろ、そう思う人の方が多いと思います。

注意しなければならないのは、あくまでもこれは世帯の収入であるという点です。

共働きの家庭であれば夫婦の収入を合わせたものですし、いっしょに住んでいるじいさんばあさんに収入があれば、それらも含めて合算させた数字になります。

また、こうした平均収入のデータというのは、1部の高給取りが数字を押し上げているという側面があります。

たとえば、以下の5人の月収を考えてみます。

Aさん:20万円、Bさん28万円、Cさん35万円、Dさん32万円、Eさん300万円。

この5人の平均月収は83万円となります。

これはちょっと極端な事例でしたが、「平均」というのはどうしても誤解を生みやすいのです。

ちなみに、2018年度の茨城県の平均貯蓄額は15,211,000円となっています。

「オレのうちにはそんなに貯蓄はねーぞ!」

多くの茨城県民はそう思うことでしょう。

これも平均収入と同じ数字のマジックで、何億円も貯蓄を持っている一部の大金持ちが数字を押し上げているわけです。どうぞご安心ください。

茨城県は家族の人数が多いから世帯収入が高い?

孫と遊ぶ祖母茨城県の、世帯の平均収入が全国でもトップクラスであることはお分かりいただけたかと思います。

とはいえ、一部の人からは鋭い突っ込みが入るかも知れません。

「茨城県は、ただ単に家族の人数が多いだけじゃないの?」

確かに、世帯収入で比較すると、1人暮らしの人が多い都会は不利になるでしょう。

1人暮らしでも5人暮らしでも1世帯だからです。

ただ、この「統計でみる都道府県のすがた」の世帯収入に関するデータは、2人以上の世帯のうち勤労者世帯という条件で抽出しています。

つまり、1人暮らしの人は含まれていないのです。

そのため、1人暮らしの多い都会であっても、特に不利になるようなデータではないのです。

個人の収入で比較をしてもトップクラスです

大金の入った給料袋1人暮らしの人が含まれていないデータとはいえ、世帯収入で比較をするのはフェアじゃないとおっしゃる都会の住民もいることでしょう。

それでは、個人で比較をした場合どうなるかを見ていきましょう。

「統計でみる都道府県のすがた」では、世帯主個人の平均収入も記載されていますので、そちらで比較をしてみたいと思います。

最新版である2020年度版を見てみますと、茨城県の世帯主の平均収入は487,200円で堂々の5位となっています。

世帯収入が9位でしたから、世帯主だけの収入で比較したほうがむしろランキングが上がっていることになります。

1位は東京都で517,800円、2位が埼玉県で515,600円、3位が千葉県で510,600円、4位が奈良県で488,600円となっています。

2019年度版で見てみますと、茨城県は487,800円で4位となっており、世帯収入が2位でしたのでわずかに順位を落としていますが、それでも全国トップレベルであることには変わりありません。

ちなみに、1位は福岡県で516,700円、2位が東京都で493,700円、3位が埼玉県で493,300円、5位が滋賀県で480,100円となっています。

どちらの年の順位でみても、東京都、埼玉県、千葉県、福岡市といった政令指定都市をかかえている都道府県と堂々と渡り合っています。

このように、茨城県は世帯収入が高いだけではなく、世帯主個人の収入でくらべてみても、全国でトップレベルにあるのです。

2018年度都道府県世帯主収入ランキング

1位 東京都・・・・517,800円
2位 埼玉県・・・・515,600円
3位 千葉県・・・・510,600円
4位 奈良県・・・・488,600円
5位 茨城県・・・・487,200円
6位 石川県・・・・475,300円
7位 福島県・・・・465,700円
8位 神奈川県・・・464,500円
9位 静岡県・・・・457,100円
10位 滋賀県・・・ 456,200円

2017年度都道府県世帯主収入ランキング

1位 福岡県・・・・516,700円
2位 東京都・・・・493,700円
3位 埼玉県・・・・493,300円
4位 茨城県・・・・487,600円
5位 滋賀県・・・・480,100円
6位 奈良県・・・・475,800円
7位 神奈川県・・・472,600円
8位 石川県・・・・466,000円
9位 千葉県・・・・459,600円
10位 山口県・・・ 455,400円

茨城県の世帯収入が高い理由を考えてみる

鹿島臨海工業地帯世間一般の人がいだくイメージとは異なり、茨城県は全国でも有数の高収入県であることが分かりました。

では、なぜド田舎だと思われている茨城県の収入がこれほど高いのでしょうか?

実は、茨城県には国内有数の一流企業で働く人が多いのです。

日立市の日立製作所は言うまでもなく、鹿島臨海工業地帯がある鹿嶋市や神栖市には、日本製鉄、AGC(旭ガラス)、カネカ、クラレ、JSR、三井化学、三菱ケミカル、信越化学、花王、ライオン、昭和産業といった日本の一流企業の工場が立ち並んでいます。

また、筑波学園都市にも、クラレ、住友化学、積水化学工業、NEC、JSR、三菱ケミカル、エーザイ、小野薬品工業、日本ジェネリック、大鵬薬品工業、バスクリンといった、日本の一流企業の研究所が集まっています。

茨城県内では、ありがたいことにこうした多くの一流企業が職場を提供してくれているのです。

茨城県民の所得の高さは、こうした一流企業に支えられている部分が大きいと思います。

つくばエクスプレスさらに、茨城県というのは、土地の値段が安いことから首都圏のベッドタウンとしての人気も高くなっています。

つくばエクスプレスやJR常磐線沿いにあるつくば市、守谷市、土浦市、牛久市、取手市などは、都内への通勤圏です。

茨城県に住んでいても勤務先が東京ということになれば、その人の給与水準は東京都民並ということになります。

このように、茨城県の世帯収入が全国でもトップレベルにあるのは、それなりの確かな理由があるのです。

何度もいいますが、茨城県を舐めてはいかんのです。

文:護持八平

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